天皇誕生日はなぜ祝日とされているのか、
またその日にはどのような行事が行われるのでしょうか?
この特別な日に込められた意味や由来について考えてみましょう。
さらに、2025年の天皇誕生日は具体的にいつなのかを探ります。
天皇誕生日の由来と意味
天皇誕生日とは、文字通り現在の天皇の誕生日を指します。
この日の祝祭の起源は古く、最初に祝われた記録は宝亀6年の光仁天皇にまで遡ります。
その頃、この日は「天長節」として知られていました。
時が流れ、天長節は他の主要な祝日とともに大々的に祝われるようになりましたが、
昭和23年に制定された祝日法により、天長節は廃止され、
昭和24年から天皇誕生日が新たに国民の祝日として設けられました。
現在では、天皇誕生日は今上天皇の誕生日を祝う日を指します。
国民の祝日では過去の天皇の誕生日が祝日として残ることもあります。
2025年、天皇誕生日はいつ行われるか?
2025年の天皇誕生日は2月23日に設定されています。
一部の人々は「天皇誕生日は12月23日ではないのか?」と疑問に思うかもしれませんが、
12月23日は平成の天皇(現在の上皇陛下)の誕生日です。
2019年5月1日に皇位が平成から令和へと移行したことで、天皇誕生日も現在の天皇の誕生日である2月23日に変更されました。
2019年の天皇誕生日は、皇位継承が5月1日に行われたため、
すでにその年の2月23日は過ぎ去っており、
公式な祝日としての祝賀は行われませんでした。
加えて、2019年には12月23日が天皇誕生日として祝われることはなく、
その年は天皇誕生日が存在しない特異な年となりました。
その後、令和時代の最初の天皇誕生日は2020年となりましたが、
その年は新型コロナウイルスの影響で公式行事が中止となり、
2月23日が日曜日だったため、翌日の月曜が振替休日とされました。
天皇誕生日を祝日とする背景
天皇誕生日がなぜ祝日になるのかについては、
昭和23年に制定された「国民の祝日に関する法律(祝日法)」によって、
この日は天皇の誕生日を公式に祝う日として定められています。
しかし、これ以前も天皇誕生日は特別な日とされており、
具体的には宝亀6年の光仁天皇の誕生日が「天長節」として初めて祝われたことが始まりです。
一時期はこの伝統が途絶えましたが、明治元年に「天長節」が復活し、
さらに明治6年には正式な国家の祝日として確立されました。
そのため、天皇誕生日が祝日である理由は、祝日法によって正式化される以前から、
既に祝日としての位置づけがされていたからです。
天皇誕生日の特別な行事
天皇誕生日には複数の重要な行事が行われます。
以下にその主なものを紹介します。
祝賀の儀
この儀式では、天皇の誕生日を祝うために皇居で皇族や政府の高官たちが集まります。
内閣総理大臣、衆参両議院の議長、最高裁判所長官などが参列し、お祝いの言葉を贈ります。
宴会の儀
祝賀の儀の後には、同じく皇族や政府高官が参加する宴会が催され、
天皇の誕生日を盛大に祝います。
茶会の儀
外国の大使やその配偶者を招待して行われる茶会も、この日の行事の一部です。
ここでは国際的な祝賀が交わされます。
一般参賀
一般の人々が皇居に入り、
ベランダに立つ天皇に対して直接祝意を表すことができる特別な時間です。
多くの国民がこの機会を利用して皇室に敬意を表します。
天皇誕生日の一般参賀について
一般参賀は、天皇誕生日に皇居で一般市民が参加できる特別な行事です。
この日以外にも、1月2日の新年一般参賀や天皇即位の際にも同様の機会が設けられます。
一般参賀は昭和23年から続く伝統的な行事で、
皇居の正門(二重橋前)から東庭へと進むことになります。
参加には費用がかからず、予約も不要ですが、安全のため事前の手荷物検査が必須で、
自撮り棒や三脚の持ち込みは制限されています。
歴代天皇の誕生日と祝日の変遷
明治天皇の誕生日は11月3日であり、現在はこの日が「文化の日」として知られています。
明治天皇の崩御後、天皇誕生日は大正天皇の誕生日(8月31日)に移行し、
11月3日は一時的に普通の日となりました。
しかし、明治天皇の功績を称え、
彼の誕生日を引き続き祝うべきだという国民の強い要望があり、
昭和2年にはこの日を「明治節」として祝日に指定する勅令が発令されました。
戦後、GHQの指示により明治節は廃止されましたが、
昭和23年に祝日法が制定されると、「文化の日」として復活しました。
昭和天皇の誕生日である4月29日は、
彼が自然科学者としての側面も持ち合わせていたことから、
彼の崩御後に「みどりの日」として祝日になりました。
この日は自然を愛し、その恩恵に感謝する日として位置づけられましたが、
ゴールデンウィークの一部としても重要な役割を果たしていました。
平成19年にはこの日が「昭和の日」へと改称され、
「みどりの日」は5月4日に移動しました。
「昭和の日」は昭和時代の挑戦と復興を反映し、
将来に向けての思索を促す日として定められています。
将来の12月23日について
2017年12月、菅官房長官は記者会見で、
上皇陛下の誕生日である12月23日をどのように扱うかについて言及しました。
「12月23日を今後どのような形で祝日とするか、
または平日とするかについては、多岐にわたる観点から国民の広範な議論が必要である」
と述べています。
現在のところ、この日は平日として扱われる方向であるようです。
過去の例として、明治天皇や昭和天皇の誕生日はそれぞれの崩御後に国民の強い関心を受けて祝日に指定されましたが、
大正天皇の誕生日は祝日とはなっていません。
これにより、平成天皇の誕生日が将来祝日になるかどうかは未定です。
まとめ
天皇誕生日は祝日法に基づき国民の祝日として定められています。
現在の天皇の誕生日が2月23日であるため、
今後は毎年この日が天皇誕生日として祝日になることになります。
この日は天皇の生誕を祝う重要な国家行事とされ、
国民にとっても特別な意味を持つ日です。
2024・2025年の国民の祝日カレンダー
2024年の国民の祝日一覧
月 | 日 | 曜日 | 祝日の名称 |
1月 | 1 | 月 | 元日 |
8 | 月 | 成人の日 | |
2月 | 11 | 日 | 建国記念の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
23 | 金 | 天皇誕生日 | |
3月 | 20 | 水 | 春分の日 |
4月 | 29 | 月 | 昭和の日 |
5月 | 3 | 金 | 憲法記念日 |
4 | 土 | みどりの日 | |
5 | 日 | こどもの日 | |
6 | 月 | 振替休日 | |
7月 | 15 | 月 | 海の日 |
8月 | 11 | 日 | 山の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
9月 | 16 | 月 | 敬老の日 |
22 | 日 | 秋分の日 | |
23 | 月 | 振替休日 | |
10月 | 14 | 月 | スポーツの日 |
11月 | 3 | 日 | 文化の日 |
4 | 月 | 振替休日 | |
23 | 土 | 勤労感謝の日 |
2025年の国民の祝日一覧
月 | 日 | 曜日 | 祝日の名称 |
1月 | 1 | 水 | 元日 |
13 | 月 | 成人の日 | |
2月 | 11 | 火 | 建国記念の日 |
23 | 日 | 天皇誕生日 | |
24 | 月 | 祝日法第3条第2項による休日 | |
3月 | 20 | 木 | 春分の日 |
4月 | 29 | 火 | 昭和の日 |
5月 | 3 | 土 | 憲法記念日 |
4 | 日 | みどりの日 | |
5 | 月 | こどもの日 | |
6 | 火 | 祝日法第3条第2項による休日 | |
7月 | 21 | 月 | 海の日 |
8月 | 11 | 月 | 山の日 |
9月 | 15 | 月 | 敬老の日 |
23 | 火 | 秋分の日 | |
10月 | 13 | 月 | スポーツの日 |
11月 | 3 | 月 | 文化の日 |
23 | 日 | 勤労感謝の日 | |
24 | 月 | 祝日法第3条第2項による休日 |