近年は副業ブームで会社員でも副業されている方も増えています。
そして副業で大切になるのは節税ですね。
2022年8月1日に国税庁が意見公募手続きを開始しており、その内容が副業の収入が300万円を超えない場合は雑所得として取り扱うというものです。
今回の内容が通った際はサラリーマンの副業で事業所得として申告することは難しくなりそうですね。
では、事業所得と雑所得ではどちらの方が得なのでしょうか?
結論から言いますと、事業所得の方がやはりお得です。
では事業所得と雑所得では何が異なるのでしょうか。
下の項目は雑所得と比べての事業所得のメリットです。
・青色申告特別控除が受けられる
・純損失の繰越しと繰戻しができる
・30万円未満の少額減価償却資産の特例が利用できる
・給与所得などと損益通算できる
まず青色申告控除ですが、一定金額を所得から引いて計算できるものです。
金額は10万、55万、65万と要件によって変わり、この金額分を経費で引いて税金を計算できるので大きいですね。
そして事業で赤字の場合は翌年以降3年間の繰り越しが出来、利益出た年はその赤字分で税額を抑える事が出来ます。
減価償却においても通常パソコンなど経費で購入した場合、数年に分けて計上していくのですが、少額減価償却資産の特例はまとめてその年に経費として計上できる制度です。
損益通算でも、事業所得では赤字の際に給与所得から赤字分を引いて税金計算する事が出来ますが、雑所得はそれが出来ません。
これらをみると事業所得の方がお得であるという事はわかりますね。
ただ、雑所得も経費計上出来ないわけではなく、あくまで経費の幅が狭まるという認識です。
知らなきゃ損!!副業の300万円雑所得いつから!?
では、実際に300万円雑所得となるのはいつからでしょうか。
国税庁のパブリックコメントを見ますと、令和4年分以後の所得税について適用しますと書かれています。
つまり令和4年分、今現在の確定申告から適用になるという事です。
思っているよりも早いですよね。
そして、この意見公募手続きに関しては内容の改定は多少あるかもしれませんが、ほぼ適応されるという見方が強いです。
対策のポイントとしては300万円というのは所得ではなく収入だという事です。
つまり、利益が少なくても売り上げが年間で300万を超えればいいという事です。
ただし、知人同士でお金のやり取りをしたかのように見せる事は控えた方がよさそうです。
意図的に税金を回避するという事で租税回避行為にあたる可能性が高いです。
この記事を読んで学んでいる方は早めに対策をしていきましょう。
副業の税金をシミュレーション!!副業は20万以上だと税金いくら!?
税金はご自分である程度計算しておくことが安心ですね。
まず雑所得の場合の計算方法から確認していきましょう。
『雑所得金額=売上-経費』
雑所得は総収入額から経費を差し引いたものが所得金額なります。
冒頭でもお話ししたように青色申告特別控除は適用されません。
では事業所得の場合はどうでしょうか。
『事業所得金額=売上-経費-青色申告特別控除(10万円又は65万円)』
これらを元に副業の税金をシミュレーションしてみましょう。
年収500万の会社員が副業で20万を稼いでいたとします。
そうすると雑所得と事業所得でどれほどの差額が出るでしょうか。
ざっとまとめてしまいますが、雑所得ケースでの可処分所得(手取り金額)は約387万円。
事業所得での青色申告ケースでは391万円。
事業所得と雑所得での差額は約4万円ほどの差が出る可能性があるという事ですね。
皆様は幾ら位の差額が出るのでしょうか。
今はサイトで簡単にシミュレーションが出てきますので見てみると面白いかもしれません。
まとめ
2022年8月1日に国税庁が意見公募手続きを開始しており、その内容が副業の収入が300万円を超えない場合は雑所得として取り扱うというものです。
事業所得と雑所得で比較すると事業所得の方がやはりお得です。
理由は事業所得では下記メリットがある為です。
・青色申告特別控除が受けられる
・純損失の繰越しと繰戻しができる
・30万円未満の少額減価償却資産の特例が利用できる
・給与所得などと損益通算できる
ただ、雑所得も経費計上できないわけではなく、あくまで経費の幅が狭まるという認識です。
副業300万円以下は雑所得となるのは確定ではありませんが、令和4年分以後の所得税。
つまり、今年度の確定申告分より予定されています。
対策のポイントは300万円というのは所得ではなく、収入であるという事です。
知人同士での金銭やり取りでのすり抜けは租税回避行為になる為気を付けましょう。
事業所得と雑所得での差額は仮に年収500万円の会社員、副業20万想定では年間4万円程差が出る可能性があります。
税額はわかる範囲で事前にシュミレーションするといいかもしれません。
節税は副業を行う上でとても大切なものですが、無理して非現実的な節税にならないよう気を付けましょう。