「よろしくおねがいいたします」正しいのは?
①「よろしくお願いいたします」
②「よろしくお願い致します」
③「宜しくお願いいたします」
④「宜しくお願い致します」
「よろしくおねがいいたします」という言葉は、
相手に「何かを依頼する」という意味の敬語表現です。
では「よろしくおねがいいたします」を文字で表すとき、
上記4つのパターンからひとつ選ぶとしたら、最も適切なものはどれでしょうか?
正解は、
①「よろしくお願いいたします」
上記の表現がどれも同じように見える中で、
なぜ①「よろしくお願いいたします」が最も適しているのでしょうか?
今回は「よろしくお願いいたします」について説明します。
実は「宜しく」は「よろしく」と読みません!
「よろしく」という言葉を漢字で「宜しく」と書くことがあります。
「宜しく」はスマートフォンやパソコンの入力でも変換可能ですが、
「常用漢字表」にのっている「宜」の正しい音読みは「ギ」であり、
訓読みが存在しません。
そうです!「よろしく」と読まないのです!
「宜しく」は実際には当て字であり、「適宜」などの「宜」に由来し、
その意味から「よろしく」と表記されるようになりました。
「常用漢字表」に含まれていない言葉は公用文では使用できないため、
「よろしく」はひらがなで書くのが適切です。
知らなかった!「いたします」と「致します」は違う意味
「いたします」は「する」の謙譲語の「いたす」に丁寧語の「ます」を付けたものであり、
「連絡いたします」「報告いたします」などの動詞の後ろにつなげる補助動詞として使います。
「お願いいたします」の「いたします」も同様に補助動詞です。
補助動詞は公用文ではひらがなで表記されるため、
「いたします」もひらがなで書くのが適切です。
なお、「致します」と漢字で表記すると別の動詞の「致す」となり、
「至らせる、及ぼす、仕向ける」などの意味になります。
これは「する」の謙譲語ではなく異なる動詞です。
したがって、「致します」は避け、「いたします」を正しく使用するようにしましょう。
ポイント |
|
まとめ
現代ではスマートフォンやパソコンの日本語入力が進化し、
新しい言葉や頻繁に使用される単語が次々と追加されています。
しかし、変換できるからといって必ずしもそれが正確な日本語であるとは限りません。
正確な日本語の知識と感覚を保持することが重要です。
特に「よろしくお願いいたします」はビジネスメールはもちろん、学校などで使用される連絡帳でも頻繁に使用される表現ですよね。
立派な大人の仲間入りとして正しく使用できるようにしましょう。
「よろしくお願いいたします」